| シネマ夢倶楽部は、価値ある映画の推薦や試写会の開催などを通じて、映画を熱く応援します!(日本ファッション協会 シネマ夢倶楽部/東京シネマ・プレビュー試写会) |
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グラン・トリノ
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2008年/アメリカ/117分
配給:ワーナー・ブラザース映画
◆4月25日より、丸の内ピカデリーほか全国にてロードショー |
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スラムドッグ$ミリオネア
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2008年/イギリス/120分
配給:ギャガ・コミュニケーションズ
◆4月18日より、TOHOシネマズ シャンテほか全国順次ロードショー |
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安藤紘平(映画監督)
自分の生き方を頑固に貫き通して来て、愛する妻に先立たれ、子供達には疎まれ、神も信じず、人に心を許さない孤独な老人と、真面目だが無器用なモン族の少年との人生の始め方と終らせ方の物語。
クリント・イーストウッドは、俳優としても監督としても、新たな偉業を成し遂げた。人が他人を受け入れる術を明快に示してくれる。 |
瓜生 孝(映像アナリスト)
キャメラの前に立つのはオスカーの作品賞と監督賞に輝いた「ミリオンダラー・ベイビー」以来、待望の4年ぶりだが、さすが役者としてのクリント・イーストウッドのなんとも渋く、なんとも言えない快さには、いやァ、胸が躍る。
監督としても続けて「硫黄島からの手紙」「チェンジリング」から、この最新作「グラン・トリノ」と全くどうやってこんな傑作を生み出すのか分らないと、今「ニューヨーク・タイムズ」まで絶賛。思えば「ダーティ・ハリー」の連作は勿論、とことん娯楽作家魂で修練を積んだイーストウッドならではかもの語り口。静かで深い。そのなかに咲く社会派の良識と品格にじむ往年のアメリカ映画らしい良さ、面白さ。結末は、まだ映画を見てない人には決して話さないでくださいよ。 |
後藤昭次(立教大学名誉教授)
アメリカのミネソタ州。一人の頑固で偏屈な退職老人。ポーランド系のアメリカ人。映画はカトリックの教会で老人の妻の葬儀の場面から始まる。
イーストウッド監督は一人の老人が、隣家の住人たちと接触するうちに、次第に心を開き、そして自分を見つめ直していてゆく有様を見せる。他人の心に触れることは、自分の心を見つめ直すことに他ならない。そうなったとき老人は、自分の人生の終わり方のヒントを得る。社会問題、人種差別、戦争の非情と不条理、それらを個人の生き様、死に方のうちに描いて見事である。 |
渡辺俊雄(NHK衛星映画劇場支配人)
クリント・イーストウッドは1930年5月31日生まれですから、もうすぐ79歳。それなのに、去年アンジェリーナ・ジョリー主演の「チェンジリング」を監督する一方で、こんな見事な作品を作っていたとは…驚きです。これは、老境に入った主人公が隣に引っ越してきた東洋人の若者に、“アメリカ男の品格”を身をもって教え込む、というお話。こんな役を演じられるのは、今やアメリカでもイーストウッドくらいでしょう。そんな男の生き様の象徴として登場するのが名車「グラン・トリノ」で、現代アメリカ社会がかかえる複雑な人種問題などもおりこんだ、粋な作品です。 |
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馬場 彰
(株式会社オンワードホールディングス 名誉顧問)
何はともあれ、非情に面白いこと受け合いである。英国で始まった「クイズ$ミリオネア」は日本でも著名番組、いまや世界80ヶ国をこえる世界の人気もの。
インドのスラム街で辛酸をなめつくした少年が挑戦するこのクイズと、スラム街での過酷な生きざま、更には警察での尋問と三つが見事に織りなすスピード感に圧倒される。主人公ジャマールの生き抜いてきた生活そのもの、兄弟愛、初恋。果して“ファイナル・アンサー”はどのような結末を迎えるのか。映画の醍醐味をたっぷりと味わう事が出来る秀作である。 |
瓜生 孝(映像アナリスト)
ほとんどインド人の配役を使ってインドで撮った作品が、ハリウッドで正面から評価されたのが凄い。さすが「米アカデミー賞」で最高得点の、感動作。この感動とは、精魂こめたエンターテインメントの映画づくり。その面白さの感動だ。
インドのさまざまな社会問題もあぶり出した現代的テーマも、胸をしめつけずにはおかないが、けれど人間の真の幸せとは何なのか。ラストのエンディングロールの心が躍るほどパワーあふれる群舞場面まで、息をつかせない展開が、また深い余韻に包まれる。いやァ、ダニー・ボイル監督の巧さ、力強さは嬉しくて。ただただ乾杯を。 |
山形泰雄(元株式会社松屋 副社長)
アカデミー賞「作品賞」受賞の報が入った直後の試写室は、異常な興奮状態に包まれていた。「クイズ$ミリオネア」の一問一問に正解するたびに、答えるスラム出身の少年に過去の生活が実に巧みに描き込まれて行く。物凄くエキサイティングで、パワフル、そしてファンタジックな展開は息もつかせぬスピードで迫り来る。こんなに面白く、楽しい映画が過去にあっただろうかと思わせる。そして最終場面が絶品。インドを舞台に創られたイギリス映画である事を納得させられる。 |
渡辺俊雄(NHK衛星映画劇場支配人)
これは「トレインスポッティング」で注目されたイギリスの鬼才ダニー・ボイル監督が、ダイナミックな映像で欧米向けに作り上げた英国製インド映画なのだ。アカデミー賞でインドを舞台にした英国映画が8部門も受賞したのは超大作「ガンジー」(1982年)以来のこと。クイズの進行にともない、スラムの現実を浮き彫りにしていく手法も見事だが、何より、この映画が純愛物語であり、人間讃歌であることが多くの人の共感を呼ぶのだと思う。最近インドでも公開されたそうだが、世界最大の映画大国インドの観客たちが、この映画をどう受け取ったのか、その反応が非常に気になる。 |
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子供の情景
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イラン、フランス/2007年/81分
配給:ムヴィオラ、カフェグルーヴ
◆4月18日より、岩波ホールにてロードショー |
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雪の下の炎
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2008年/アメリカ、日本/75分
配給:アップリンク
◆4月11日より、渋谷アップリンクほか全国順次ロードショー |
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秋山 茂(元映倫外画審査員)
娯楽性などかけらもないが、注目すべき衝撃作だ。胸に突き刺さるこの感動作を、18歳から19歳にかけて、イラン映画の巨匠モフセン・マフマルバフの末娘ハナ(17歳で「りんご」を撮ったサミラの妹)が完成させた。
舞台はアフガニスタン、バーミヤン。人物は高山の一隅に暮す子供たちだけ。その中のたった一人、ひたむきで、けなげで、もの悲しい6歳の女の子がこの作品のすべてで絶対に忘れられない印象を残す。こんなご時勢だからこそ、この「<痛ましい>子供の情景」を必見作としてお薦めしたい。 |
瓜生 孝(映像アナリスト)
イラン映画の新たな秀作が、新人女性監督から生まれたのに感動した。胸をしめつけられるアフガニスタンの「今」を描きながら、 ウェットにならない若い情熱は文字通りにすばらしい。力ずくで監督しているのでなく、自然体に登場人物たちを動かす飄々とした画づくりとか、 ぶっきらぼうながら微苦笑まじりに波のうねりにも似たカット割=演出の感覚とリズムが、少しも飽きさせない。
お話は、隣の男の子に影響されて学校に行きたいと願う6歳の幼女の1日の旅のような童話とドキュメンタリー風の81分でも、がっちりと隙間ない構成で 深い余韻に包まれるのだ。 |
後藤昭次(立教大学名誉教授)
赤土の岩山、人の歩く足もとから立ち上る土埃、岩山に彫られた仏像、そこに砲弾が炸裂して崩壊する仏像。ここはアフガニスタンのバーミヤンである。
単純な物語と映像の中に、監督の熱い意図がたっぷりと盛り込まれている。数十年におよぶ戦争の社会では、貧困、教育、男女差別の改善は進むべくもない。原題『仏陀は恥ずかしくて崩壊した』が示すように、 男児たちの戦争ごっこで捕らえられた6歳の少女の涙は、大人たちへの抗議の涙、戦争は恥ずべき手段だと訴える。それは恥の行為だと。戦争を生むのは戦争なのだ。素朴な映像が、そう訴えかける。 |
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秋山 茂(元映倫外画審査員)
「チベットはチベット人のものだ!」このような風貌の反骨僧パルデン・ギャツォ(61歳)が生き地獄だった当時の体験を淡々と語る痛烈の一語につきるドキュメンタリー。
1950年中国のチベット侵略と蹂躙、59年には28歳のときから33年間も投獄され責苦に耐え抜いた鉄人、まさに炎の男の姿。いまも師と仰ぐダライ・ラマ14世とともにインドに亡命中である。N.Y.在住の楽真琴(ささまこと)という女性監督に感銘、敬意を表したい。 |
後藤昭次(立教大学名誉教授)
これはチベット問題を扱った映画。1959年の民衆蜂起の際に逮捕された僧侶、パルデン・ギャツォのドキュメンタリーである。監督はギャツォの自伝を読んで、この映画の製作を思い立ったというが、その自伝は日本でも『雪の下の炎』(檜垣嗣子訳)の邦題で1998年に新潮社から出版されている。それが絶版になったため、今年になってブッキング社から再刊されている。チベットでは今も情報活動が厳しく制限されているという。チベット鉄道が完成したニュースは日本のテレビでもにぎやかに報じられたが、それは中国にとっては都合の良い文明でも、圧制に苦しむチベット人にとっては、侵略者に都合の良い道具のように思われる。中国政府はチベット自治区への巨額の投資によって、経済規模は格段に発展したと強調するが、その一方で亡命政府との話し合いは途絶えたままである。今年は1959年の民衆蜂起から50年、同じアジアの仏教国で起こっている政治や文化の状況、そこに住む人々の日常の暮らしぶり、そこに潜む問題の性質を知るうえでも、これは貴重な映像である。 |
松川和子(生活思考家)
33年間の拷問、投獄、自らの不屈の精神で耐え、現在もチベットの平和のため世界に向けて活動しているチベット僧パルデン・ギャツォの自叙伝「雪の下の炎」をN.Y.在住の女性監督・楽真琴(ささまこと)が映画化した。
59年、中国はチベットを侵略し、独立運動に関わった多くのチベット人は獄中死したが、信仰心溢れるパルデン僧は苦しみに耐え抜き中国軍の刑務所での非道な拷問の様子を公開した。08年の北京オリンピックの折、その開催を阻止しようとしたリアルな様子など生々しく伝わってきて、チベットと中国について知ってほしいと願って、この映画を作った36歳の女性監督に拍手を送りたい。 |
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映画は映画だ
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2008年/韓国/113分
配給:ブロードメディア・スタジオ
◆3月14日より、シネマスクエアとうきゅうほか全国にてロードショー |
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花の生涯 〜梅蘭芳〜
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2008年/中国/147分
配給:アスミック・エース、角川エンタテインメント
◆3月7日より、新宿ピカデリーほか全国順次ロードショー |
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馬場 彰
(株式会社オンワードホールディングス 名誉顧問)
キム・ギドク(原案・製作)とチャン・フン(監督)の組み合わせとあっては観ずにいられない。期待にたがわず映画スターとヤクザのカラミは、それぞれの心理描写も含め文句なく迫力満点。 又、スピード感ある緊迫した場面にあって、しばしば登場する作中の監督役を演ずるコ・チャンソクは何ともユーモラスでオアシスでの一服を味あわせてくれる。この種の映画では、日本映画を凌いでいるのではないだろうか。 |
浅香光健(浅香流演劇舞踊名取)
韓国映画界を代表する二大二枚目スターが共演、プライド高い映画スターと映画俳優の夢を捨て切れないやくざ、全く別の世界に生きる二人が偶然出会う。リアルな映画作りをめざして、二人は共演、強烈な個性がぶつかり合う。アクションシーンが見もの。 役者の心意気が伝わる文句なしに楽しめる映画らしい映画だ。 |
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藤原作弥(元日本銀行 副総裁)
巨匠チェン・カイコーにしてこの映画あり。中国の伝統芸術・京劇を題材とした彼の傑作『さらば、わが愛 覇王別姫』と対(つい)なす傑作。『さらば、我が愛〜』が悲劇のフィクションだったのに対し、 『梅蘭芳』は天才女形・名優の文字通りの“花の生涯”を描いたノンフィクション。
その史実の展開に、音楽、舞踊、衣裳、美術などで京劇の華麗な伝統様式美を、男形と女形の微妙な愛のかたちが見事な綾をなしている。この作品も『さらば、我が愛〜』同様、日本軍の中国侵略など時代背景もドラマの要因の一つ。 とりわけ京劇に理解を示す田中少佐のエピソードが、“芸術は永遠なり”を物語る役割を果たしている。 |
松川和子(生活思考家)
「さらば、わが愛 覇王別姫」から15年、チェン・カイコー監督の“花の生涯‐梅蘭芳(メイ・ランファン)”を観た。京劇の世界的名女形俳優・梅蘭芳(1894-1961)の名を知る日本人は、後期高齢者だけかも知れぬ。 その倒錯美の極みの舞台の姿に酔い痴れる熱狂的な群集のシーンと、梅の婀娜姿がスクリーンに炸裂する。
豪華な舞台衣裳は、当時のものが遺族から提供されて、正に咲きほこる牡丹の花の趣き。1930年代の北京の劇場などもリアリティ溢れる。147分の大作であるが、私はレオン・ライとチャン・ツィイーの出逢いと別れのシーンが心に残る。 |
三沢秀介(俳人)
この映画は、梅欄芳の京劇一筋の人生を、彼を巡る妻、恋人更には時代背景を情感ゆたかにえがいて、梅欄芳という京劇の代名詞ともいえる女形名優をクローズアップしてゆく。 特筆したいのは、梅欄芳の青年時代を演じたユィ・シャオチュンである。越劇の役者であるこの青年の演技は、気品のなかにもとろけるような色香があって絶品というしかない。この役者にまみえるだけでも、 この映画を見る価値があるというものだ。総じていえば、チェン・カイコー監督にとっては梅欄芳という巨人の軌跡を忠実に辿らんが為に、事実の大きさに若干、足を掬われているきらいがあり、その意味ではフィクションであり、 “男色”という魔力的テーマをもつ『〜覇王別姫』とは異なった感想を持たざるをえないだろう。 |
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